3.07.2010

梅と桃と、おいしいものの話。

気づいたら桃の節句も終わっていた。もう・・・3月!
まだまだ寒いけれど、街を歩くと、寂しげな枝に白や緑のつぼみがぽつぽつと見え始めて、そのときを準備しているのが分かる。
梅はごつごつした枝に薄ピンクのまるい花を咲かせていて、枝との対比が美しいなあと思う。浮世絵を思い出す。手前にごつい幹と枝が描かれていて、奥にも梅の木々が続いている絵。
桃の花はまだ時機が早いせいか一度しか見ていない。

石森章太郎が描いた「古事記」を読んで初めて、桃には霊力があって邪気を祓うとされていることを知った。今も手元に置いているマンガの一つ。

お産で死んでしまったイザナミに会いに黄泉の国へ行ったイザナギは、覗いてはいけないと言われた扉の奥を見てしまったために、変わり果てた姿のイザナミやライジュウやヨモツシコメに襲われることになる。そこで敵を倒す「アイテム」として登場するのが髪(みづら)をしばっていたかづら(つる草の象徴)から生まれた山ぶどう。竹製の櫛から生まれた筍。そして、桃の実。山ぶどうはその蔓で体をしめつけ、筍はその味で忘我の状態にさせる。桃の実は爆弾(?)となり、彼らを追い払う。そのことに感謝したイザナギは桃にオホカムヅミの命(みこと)という名前を与えた。

イザナミがイザナギと一緒に帰れなかったのは、彼女がすでに黄泉の国のものを食べてしまっていたため。一度その世界のものを口にしてしまうと、元の世界には戻れなくなってしまう。
「あちら側」にとどめて置く手段として、魅力的な食べ物は度々物語に登場する。思いつくのは「千と千尋の神隠し」、その影響を受けている(町山さんのラジオで知った)「パンズラビリンス」、「コララインとボタンの魔女」(これも日本のアニメの影響を受けているような気がした。○○○○○―○とか?)、本だと「家守綺譚」。
ギリシャ神話にも、冥界のザクロの粒を食べたために、その数だけの月は冥界で過ごすことになってしまったという話がある。

食べ物の誘惑を振り払う難しさは、よおく、分かる。
苦めの珈琲と一緒に食べるチョコレートだとか、ブルーベリージャムやクロテッドクリームをつけて食べるスコーンだとか、スパイスが効いたインドカレーと食べる焼き立ての香ばしいナンだとか。目の前に置かれたら?
もしも「あちら側」に迷い込んだとしても、こんなものが出ないことを祈るばかり・・・。


メモ
・平日の時間がほしい。野菜をちゃんと食べたい。
・「プロデューサーズ」「恋をしましょう」(ミュージカルが見たい!)「百万長者と結婚する方法」「レイチェルの結婚」「バベットの晩餐会」
・花の水替えを毎日すること。嗚呼アゲラタム・・・。