8.06.2009

MEMO








イメージの増殖、或いは増色 記憶の記録 みたいな ①


壁に貼ってあるメルちゃんの写真にこんなことをするのは、あの人しかいない、というのはみんな分かりきっているしあえて誰も口にしないでいると、あれ見た?と本人は自慢げな笑みを浮かべながら私たちの反応をいつまでも待っているので仕方無しにテキトーな返事をし、後でよく見てみると、口元のピンクの線があまりに無意識的なテキトーさで描かれているせいでメルちゃんのバランスはどんどん崩れていき、本人のいないところで私たちはその可笑しさについて笑いあう。



パンダと目が合ったのは、数え切れないほどの鳥居をくぐり抜け、すずめの串焼きを売っている赤い屋台の側を通り過ぎた後だったか、前だったか。別の屋台の下で前足を伸ばしていた茶色の犬が愛らしくてシャッターを押したような気がするけれど、その瞬間の記憶は曖昧で、思い出そうとすればするほど茶色の犬と焦げた小さなすずめらしきものを覆うようにして赤色というか朱色の何かがぼんやり浮かんでくるのは、たぶん、屋台のテントと鳥居が部分的に二重露光され、現像処理の最中のようにいつまでも頭の中でゆらゆら揺れているせいだと思う。